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平郁会 佐藤医師インタビュー

希望する方には一人でも多くの“看取り”を実現したい

医師・佐藤が挑む
在宅医療と緩和ケア
「在宅医療を選んでよかったと心から言えます。だから興味のあるドクターにはおすすめしたいーー。」 平郁会「みんなの町田クリニック」の院長・佐藤は穏やかにこう語ります。佐藤が終末期緩和ケアや看取りを主とする在宅医療の道を志した背景には、自身の血液内科医としての経験や患者様に対する想いがありました。
父と兄の影響で医師を志し、
血液内科医として急性期病院で働いた日々

佐藤の父は医師で、6歳上の兄も父と同じ医師の道を歩んでいます。その姿を間近で見ていた佐藤は、幼い頃から“命を扱う仕事”に強い興味をもちました。

佐藤

中学生の頃、自分の将来を考えようという課題がありました。そのときに、自分の将来を初めてしっかりと意識して考えたんです。趣味の範囲ですが、設計が好きで建築士もいいなと思っていたんですが、やっぱり“命を扱う”分野に携わっていきたいと思い、医師になることを選びました。

医大を卒業後、佐藤は以前から興味のあったがん治療を学ぶため、血液内科を専攻します。血液内科を選んだのは白血病など、内科に特化した領域であることが理由でした。

佐藤

他の科では、抗がん剤を使う目的のひとつに“外科的措置を行うために腫瘍を小さくする”ためという理由があります。しかし血液内科は主に投薬のみで治療を進めていく。治療法が他の科と大きく異なり、おもしろいと感じました。もうひとつは、緩和ケアにも積極的に携われることが大きかったと思います。末期がんや終末期医療の経験は今も活きていると思います。

白血病は今、決して寛解・完治ができない疾患ではありません。しかしまだ難治性・再発性の血液がんも存在し、緩和ケアに移行する患者様がいることも事実です。血液内科を専攻し、終末期医療に触れたことは佐藤に大きな影響を与えました。

自分の患者様を最後まで見届けたい
在宅医療の医師として
“看取り”に携わる決断

佐藤が急性期病院に在籍していたのは、研修医の期間を含めおよそ7年間。急性期医療のおもしろさを知る反面、自分が担当する患者様を見届けたいという思いが強くなっていたのです。在宅医療という選択肢を選んだのは、患者様への想いからでした。数ある在宅医療クリニックから平郁会で働こうと決めた理由は、チームで患者様を見守る体制が整っていたことーー。

佐藤

最も特徴的だったのは、医師とサポートスタッフ、最低でも2人で患者様のお宅を往診するという点。訪問診療は医師ひとりで訪問するというクリニックもあるのですが、看護師など複数人で行動できれば、他のスタッフと患者様はどんなコミュニケーションを取っているのかも知ることができます。心身を支える上で非常に大切なことだと感じたんです。患者様にとってもサポートスタッフや看護師との会話も増え、好影響があると思います。

佐藤はこの場所で、自身の理想に近いチーム医療に出会いました。多職種と連携し、患者様にとって最適な医療を届けることは、とてもやりがいがあると語ります。

佐藤

在宅医療の最も魅力的なところって、携わる人の多さだと思います。患者様とその家族を中心に、地域のソーシャルワーカーや介護を行うケアマネジャー、いろいろな職種の方とコミュニケーションを取れる。病院やクリニックの枠を飛び越えたコミュニケーションは、在宅医療の醍醐味です。

もうひとつ、佐藤は在宅医療ならではの興味深さを発見していました。それは、ドクターが診察する領域が多岐に渡るということ。

命のプロフェッショナルとしての責任
平郁会の豊富な専門医から
多くを学ぶ日々と“看取り”の葛藤

在宅医療では訪問する患者様の症状に合わせた診察が必要となります。神経疾患や高血圧、糖尿病、がんなど幅広い領域で患者様を診なくてはなりません。

佐藤

急性期医療では経験できなかったことです。血液内科医としての経験を活かしつつ、新しい知見を増やす。大変ですが、やりがいを感じます。平郁会に在籍する専門医の先生にどう治療を進めていくか、相談することもできるので連携を行い患者様の診察をできる環境は、とても恵まれていると感じます。

平郁会の大きな特徴は、精神科や皮膚科、眼科など幅広い診療科の専門医が在籍していること。佐藤にとって大きな刺激になっています。
一方、患者様の中には、末期がんなどの終末期を在宅医療で療養すると選択した方もいます。血液内科で緩和ケアを行い、人の命に寄り添ってきた佐藤であっても、医師としての葛藤が消えることはありません。

佐藤

残りの命を家で過ごすことを望んでいる患者様が、穏やかにそのときを迎えられることが理想です。でも、一筋縄にはいかないこともあります。私たち医師は“命のプロ”です。入退院を繰り返し、ご自宅で悪化してしまったとき、家で過ごすのか、再度、入院するほうがいいのか? 医師自らご家族に提案することが求められます。本当にそれでよかったのか? 強い葛藤を覚えます。それでもどちらかを提案することが私の仕事なんです。

常に自分を疑い、最善の提案を行うーー。佐藤は“命のプロ”として、知見を広げ、患者様を支えつづけています。

安心して最期を迎えられる環境を
少しずつ整えていきたい

在宅医療は急性期医療とは大きく異なる考え方をもっています。在宅医療の医師という働き方は一般的に浸透していないと佐藤は語ります。

佐藤

人生の最期を過ごす場所がない患者様が今、たくさんいるーー。病院で可能な検査・治療が在宅で可能になれば、在宅医療という選択肢は患者様にとってもっと身近になると考えています。そして在宅医療という選択肢が医師にも広がることで、一人でも多くの患者様が安心して最期を迎えることができるのではないか……。私は医師として在宅医療の価値を伝えつづけていきたいです。

最後に佐藤は、在宅医療のやりがいをこう語りました。

佐藤

急性期病院は疾患を治療し、できる限り健康な状態に戻すことが主体の医療です。しかし在宅医療は “患者様の人生”を最期まで診る仕事。急性期とは全然違うアプローチ方法がたくさんあります。

在宅でドクターとして働くという決断は勇気が必要。でも、在宅医療に興味があれば大丈夫です。かつて私がそうだったように、自分で勉強もできるし、専門医に教えてもらうこともできます。みんなで協力して知見を広げれば、医師の数だけ新しい可能性が広がっていくと思います 。

今、目の前にいる患者様とご家族のために。 “看取り”を必要とする患者様をひとりでも多くケアするためにーー。佐藤は今日も患者様の“人生”を診ています。

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