用語集

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あ行

  • 医療保険いりょうほけん

    相互扶助の精神に基づき、病気やけがに備えてあらかじめお金(保険料)を出し合い、実際に医療を受けたときに、医療費の支払いに充てる仕組みです。
    患者さまはかかった医療費の原則1~3割を支払えば済み、残りは自分が加入する医療保険から支払われます(保険給付)。
    日本は全ての国民が公的な医療保険制度への加入を義務づけられています(「国民皆保険制度」)
    医療保険は、サラリーマンが加入する被用者保険(職域保険)、自営業者・サラリーマンOBなどが加入する国民健康保険(地域保険)、75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度に分けられます。
    さらに被用者保険は職業によっていくつかの種類があり、主に民間企業のサラリーマンが加入する健康保険組合と全国健康保険協会(協会けんぽ)、公務員が加入する共済組合などに分かれています。

  • 胃瘻いろう

    口径摂取などが困難な患者さまのおなかに直接穴をあけ、そこから直接胃に栄養を送る際に作らる穴のことを「胃瘻(いろう)」といいます。
    お腹に内視鏡を使って胃瘻を作る手術をPEG(ペグ)といいます。

  • 院外処方いんがいしょほう

    院外処方とは厚生労働省が進める医薬分業の制度に伴い行われるものです。
    医師が薬を渡す代わりに院外処方せんを発行し、町の保険薬局の薬剤師が処方内容、薬の飲み合わせ等を再確認し、お薬を渡すシステムです。

  • 往診おうしん

    定期的に訪問診療する以外に発熱や体調がすぐれないなど、その都度訪問して診療を行うこと。

か行

  • 介護保険かいごほけん

    介護に対する国民の不安を解消し、介護を必要とする人たちを社会全体で支えることを目標として、2000年4月、「介護保険法」が施行されました。
    背景には、急速な高齢化と寝たきりや認知症の患者さまの増加、少子化や核家族化、女性の社会進出などがあります。
    介護保険とは、介護保険法に基づくサービス提供や請求、支払の仕組みのことです。
    介護保険は40歳以上から利用することができ、40歳から64歳の第2号被保険者は、特定の疾病の方のみ利用可能。
    40歳から64歳までの特定疾患は、脳血管疾患やガン末期などの16疾病あります。
    または介護保険には介護度が7段階あり、要介護5が一番重く介護度によって給付額が決められていきます。

  • 緩和ケアかんわけあ

    癌の痛みなどは患者さまの生活(QOL)を著しく低下させることから適切な量の医療麻薬などにより痛みの緩和を行います。また、設備状況にもよりますが、痛みが強い場合には自身で薬を一時的に投薬する仕組みを利用できるクリニックもあります。
    一般的な緩和ケアとは、生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者さまとその家族のQOLを、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価を行い対応することで、苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチのこと。

    ・痛みやその他のつらい症状を和らげる
    ・生命を肯定し、死にゆくことを自然な過程と捉える
    ・死を早めようとしたり遅らせようとしたりするものではない
    ・心理的およびスピリチュアルなケアを含む
    ・患者さまが最期までできる限り能動的に生きられるように支援する体制を提供する
    ・患者さまの病の間も死別後も、家族が対処していけるように支援する体制を提供する
    ・患者さまと家族のニーズに応えるためにチームアプローチを活用し、必要に応じて死別後のカウンセリングも行う
    ・QOLを高める。さらに、病の経過にも良い影響を及ぼす可能性がある
    ・病の早い時期から化学療法や放射線療法などの生存期間の延長を意図して行われる治療と組み合わせて適応でき、つらい合併症をよりよく理解し対処するための精査も含みます。

  • 機能強化型在宅療養支援診療所きのうきょうかがたざいたくりょうようしえんしんりょうじょ

    在宅療養支援診療所の基準を満たしたうえで、緊急往診や看取りの実績がある診療所になります。

  • 居宅療養管理指導きょたくりょうようかんりしどう

    要介護状態となった場合でも、利用者が可能な限り居宅で、有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができ るよう、医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士又は歯科衛生士等が、通院が困難な利用者の居宅を訪問して、心身の 状況、置かれている環境等を把握し、それらを踏まえて療養上の管理及び指導を行うことにより、その者の療養生活 の質の向上を図るもの。

  • ケアマネージャー

    ケアマネージャー(介護支援専門員)とは、要介護者や要支援者の人の相談や心身の状況に応じるとともに、サービス(訪問介護、デイサービスなど)を受けられるようにケアプラン(介護サービス等の提供についての計画)の作成や市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行う者。
    また、要介護者や要支援者の人が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識・技術を有するものとして介護支援専門員証の交付を受けた者とされています。

  • 経管栄養けいかんえいよう

    脳性まひや神経筋疾患など摂食・嚥下機能に障害があり、経口摂取が不可能であったり、必要十分な量の経口摂取ができない場合や嚥下機能の低下により誤嚥が許容範囲を超えた場合など経口摂取は困難な場合に用いられる栄養摂取方法です。

  • 経鼻胃管けいびいかん

    鼻から胃に栄養剤を注入する際に用いられ管のこと。

  • 健康寿命けんこうじゅみょう

    健康寿命とは、心身共に自立し健康的な生活が送れる年齢までのことを指します。

  • 後発医療品(ジェネリック)こうはついりょうひん(じぇねりっく)

    後発医療品(ジェネリック)とは、発医薬品の再審査期間や特許期間(20から25年間)終了後に発売されるもので、同じ成分、同じ効き目の薬で、ジェネリック 医薬品とも呼ばれています。

  • 後期高齢者こうきこうれいしゃ

    75歳以上の方

  • 厚生労働省こうせいろうどうしょう

    「国民生活の保障・向上」と「経済の発展」を目指すために、社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上・増進と、働く環境の整備、職業の安定・人材の育成を総合的・一体的に推進します。
    また、少子高齢化、男女共同参画、経済構造の変化などに対応し、社会保障政策と労働政策を一体的に推進します。

  • 高齢者こうれいしゃ

    高齢社会白書(内閣府)では、高齢者を65歳以上とし、65歳から74歳を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者、生産年齢を15歳から64歳、年少を0歳から14歳としています。

さ行

  • 在宅患者訪問診療料ざいたくかんじゃほうもんしんりょうりょう

    通院が困難な患者さまに、計画的に訪問し治療を行う場合に算定できます。

  • 在宅療養支援診療所ざいたくりょうようしえんしんりょうじょ

    訪問診療を提供する診療所のうち、夜間や土日祝を含めた24時間医師または看護職員が対応し一定の基準を満たしている診療所になります。

  • 在宅時医学総合管理料ざいたくじいがくそうごうかんりりょう

    本人の同意を得て計画的な医学管理のもとに定期的な訪問診療をする場合、月1回に限り算定することができる。
    在宅時医学総合管理料は(在宅療養計画書)に基づき、月1回以上継続して訪問診療を行い、当該患者に対して主として診療を行っている1つの医療機関が算定することができる。
    自宅(集合住宅含む)・小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護の患者さまに対して算定できる。

  • 褥瘡(床ずれ)じょくそう

    褥瘡(じょくそう)とは、寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうことです。一般的に「床ずれ」ともいわれています。
    自分で体位変換できない方など、体重で長い時間圧迫された皮膚の細胞に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなり、「褥瘡」ができます。
    また皮膚の表面だけでなく、皮膚の中にある骨に近い組織が傷ついている場合もあります。
    長時間寝たきり、栄養状態が悪い、皮膚が弱くなっている(高齢者、排泄物や汗により皮膚のふやけがある、むくみが強い、抗がん剤やステロイドなど薬の副作用で免疫力が低くなっている)人が、圧迫だけでなく摩擦やずれなどの刺激が繰り返されている場合は褥瘡になりやすいといえます。
    褥瘡になりやすいため注意しなければならない病気として、うっ血性心不全、骨盤骨折、脊髄損傷、糖尿病、脳血管疾患、慢性閉塞性肺疾患があります。

  • 診療情報提供書しんりょうじょうほうていきょうしょ

    診療情報提供書とは、患者さまの情報(病歴・内服薬・経緯・申し送り)などを書いた書類のことです。
    患者さまの情報取得に時間がかかったり病院や医師が変わった際に今までの診療が滞りないように診療を行えるように作成します。

  • 前期高齢者ぜんきこうれいしゃ

    65歳から74歳の方

  • 先発医療品せんぱついりょうひん

    先発医療品とは、最初に発売されたお薬のことです。

  • 専門診せんもんしん

    訪問診療では主に内科のドクターが診療を行っています。平郁会ではそれ以外に専門診と呼ばれる医師が在籍しています。専門診(皮膚科・神経内科・精神科など)が患者さまの状態に合わせてスケジュールを組んで訪問いたします。

た行

  • 多職種連携たしょくしゅれんけい

    多職種連携とは患者さまにかかわりる職種が連携しあって患者さまの状態の把握や自宅で過ごすサポートを行うことです。
    医師・訪問看護師・ケアマネージャー・訪問入浴・介護士など様々な職種が連携しています。

  • 地域包括ケアシステムちいきほうかつけあしすてむ

    高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、高齢者が「自立した」生活を可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)

  • 地域包括支援センターちいきほうかつしえんせんたー

    地域の高齢者の総合相談、権利擁護や地域の支援体制づくり、介護予防の必要な援助などを行い、高齢者の保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とし、地域包括ケア実現に向けた中核的な機関として市町村が設置している場所。

  • 中心静脈栄養ちゅうしんじょうみゃくえいよう

    中心静脈栄養法(ちゅうしんじょうみゃくえいようほう、total parenteral nutrition;TPN)心臓に近い中心静脈に挿入したカテーテルを介して、栄養製剤を投与する治療法のこと。
    鎖骨下静脈や内頚静脈から専用の穿刺針を刺し、中心静脈(上大静脈)までカテーテルを挿入する。高カロリー輸液を投与するのが一般的。
    主に、経口から栄養摂取が困難な場合や、消化管での栄養吸収が障害された場合、末梢静脈栄養が長期化されると予測される場合に用いられる。ただし適応基準は、患者さまの状態などによって異なる。
    中心静脈栄養法に用いられる輸液は、アミノ酸や糖質、脂肪、ビタミンなど生命維持に必要な栄養素が含まれている。また、この輸液は高濃度のため、末梢静脈から投与を行うと静脈炎を起こしやすい。このため、血流量が多く、速やかに希釈できるような太い血管がある中心静脈から細いカテーテルで注入する必要があります。

  • 定期診療ていきしんりょう

    基本的には月2回の診療を行い、患者さまの状態に合わせてご本人・ご家族と相談して訪問回数を増減します。厚生労働省の基準により訪問診療が認められた患者さまの定期診療の回数は最大週3回までとなっており、特定の疾患の患者さまは週4回以上も可能な場合があります。
    在宅計画に応じた訪問診療。患者さまの容態に合わせた臨時の訪問診療は往診になります。

な行

  • 認知症にんちしょう

    認知症は、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。
    アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も多く、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症です。
    次いで多い血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によっておきる認知症です。
    初期は、加齢による単なる物忘れに見えることが多いでしょう。しかし、仕事や家事など普段やってきたことでミスが増える、お金の勘定ができなくなる、慣れた道で迷う、話が通じなくなる、憂うつ・不安になる、気力がなくなる、現実には見えないものが見える、妄想があるなどのサインが出ます。
    日本における65歳以上の認知症の人の数は約600万人(2020年現在)と推計され、2025年には約700万人(高齢者の約5人に1人)が認知症になると予測されており、高齢社会の日本では認知症に向けた取組が今後ますます重要になります。
    また、認知症は誰でもなりうることから、認知症への理解を深め、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる「共生」(認知症の人が、尊厳と希望を持って認知症とともに生きる、また認知症があってもなくても同じ社会でともに生きるという意味)の社会を創っていくことが重要となります。

  • 脳卒中のうそっちゅう

    脳卒中とは脳の血管に障害がおきることで生じる疾患の総称であり、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳内の細い血管が破れて出血する「脳出血」、脳の表面の血管にできたコブ(脳動脈瘤)が破れる「くも膜下出血」などが含まれる。

は行

  • バイタルばいたる

    バイタルサインの略。vital signs。「体温・脈拍・血圧・呼吸・意識レベル」の生命兆候のこと

  • 平均寿命へいきんじゅみょう

    平均寿命とは、人が生きていけるだろうと思われる年齢のこと。
    平均余命とも呼ばれ、0歳の乳幼児が亡くなるまでの予測される年齢
    一年間に亡くなった人の平均年齢ではない。

  • 訪問看護ほうもんかんご

    訪問看護とは、看護師などが居宅を訪問して、主治医の指示や連携により行う看護 (療養上の世話又は必要な診療の補助)です。
    病気や障がいがあっても、医療機器を使用しながらでも、居宅で最期まで暮らせるよう に多職種と協働しながら療養生活を支援します。

  • 訪問診療ほうもんしんりょう

    自宅や施設に定期的に医師や看護師が計画的な医学管理のもと訪問し診療を行うこと。

  • 訪問薬局ほうもんやっきょく

    薬剤師が自宅や施設に診療を受け生活している患者さまのもとにお伺いし、医薬品のお届け・服薬の指導や管理をしています。
    服薬の管理や指導することを、医療保険では「在宅患者訪問薬剤管理指導」、介護保険では「居宅療養管理指導」といいます。

ま行

  • 末梢静脈栄養まっしょうじょうみゃくえいよう

    末梢静脈にカテーテルを留置して行われる静脈栄養法で、主に水分電解質の補給、10%ブドウ糖液やアミノ酸製剤、脂肪乳剤を使用します。
    1日あたりおよそ1,000Kcal程度のカロリーを投与することを目的としています。中心静脈栄養は長期的な場合に使用されることが多く末梢静脈栄養は短期的な使用で用いられることが多いです。

  • 看取りみとり

    高齢者の方が、無理な延命治療を行わず自然な形で最期を迎えられるように亡くなるまでの過程を見守ることです。

英数行

  • ACP(Advance Care Planning)

    終末期において患者さまご自身がどのような療養生活を送りたいかをご家族を含めて医師・看護師・介護職できちんと話合いながら、自宅での療養を優先するかいざとなったら救急搬送により入院するか、延命を希望するかしないかなどをあらかじめ決めておくことです。

  • ADL(Activities of Daily Living)

    日常生活動作のこと。Activities of Daily Livingの略。
    移動・排泄・食事・更衣・洗面・入浴などの日常動作のこと。

  • ADL低下(Activities of Daily Living)ていか

    日常生活動作の低下のこと。移動・排泄・食事・更衣・洗面・入浴などの日常動作が身体機能と認知機能の低下と精神面・社会環境の影響によって低下します。
    ADLと身体・認知機能、精神面、社会環境は相互に作用し合っており、一つでも機能が低下するとADLの低下へとつながります。
    老化や、脳血管障害、糖尿病などの生活習慣病、心臓・血管疾患、パーキンソン病などの神経疾患、関節疾患、認知症、精神疾患などの各疾患、薬の副作用などによっても起こります。歩行障害やもの忘れなどの老化に伴うADL低下もある。

  • BPSD (Behavioral and Psychological Symptom of Dementia)

    認知症における周辺症状のことをいいます。認知症の患者さまは認知機能の低下などの中核症状以外に、せん妄や暴力行為などの周辺症状が出る場合があります。

  • IC(Informed Consent)

    患者さまと医師で治療の方針を決めることで、ムンテラ(MundTherapie)と呼ばれることもあります。

  • PEG(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy)

    Percutaneous Endoscopic Gastrostomy(経皮内視鏡的胃瘻造設術)の略。
    内視鏡を使って胃瘻を作る手術のこと

  • QOL(Quality of Life)

    [QOL]英語名Quality of Lifeの略。
    治療や療養生活を送る患者さまの肉体的、精神的、社会的、経済的、すべてを含めた生活の質を意味します。
    病気による症状や治療の副作用などによって、患者さまは治療前と同じようには生活できなくなることがあります。
    QOLは、このような変化の中で患者さまが自分らしく納得のいく生活の質の維持を目指すという考え方です。
    治療法を選ぶときには、治療効果だけでなくQOLを保てるかどうかを考慮していくことも大切です。